いま子育てが危ない!

子育ての崩壊しつつある現代社会に危機感を覚え、敢えて苦言を呈します。実績20年以上の現役小児科医が、育児環境と小児科医療の崩壊を危惧する激しい叫び声に耳をお貸し下さい。

 
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キレる子どもの頭の中は一体どうなっているのでしょうか?以前キレる子どもばかり集めて面倒を見たことがありますので経験を元にお話ししましょう。
子どもがキレる一番多いパターンは、自分で自分の思考をまとめられない、自分の感覚と行動をコントロールできないと言う、脳神経の統合と制御作用の未熟性から起こると私は考えています。感情と行動のコントロールに重要な働きが大脳皮質の前頭葉に有るのは事実ですが、前頭葉の働きだけが全ての問題の決定に関わると考えるのは正しくありません。まして遺伝的に前頭葉皮質を作る部品が足りないから、薬で精神をコントロールする以外に方法がないと短絡的に考えるのは間違いだと思います。
話しをもう少し簡単にしてみましょう。幼稚園から小学校低学年あるいは中学生になっても、子どもが癇癪(かんしゃく)を起こすことは珍しくありません。子どもが幼いほど癇癪のパターンはハッキリしています。例えば積み木が上手く積めないで泣き出す子ども、ジグソーパズルが出来なくてひっくり返す子ども、計算問題が解けなくて投げ出す子ども、全てに共通する部分は、自分が今していることに思考が付いて行かない、つまり頭がハッキリせずボーっとしていて考えが上手くまとまらない、上手くやりたいのだけれどやり方が見つからない、方法は分かるのだけれど実際にやってみると失敗する……このような大人から見れば他愛もない小さな問題で行き詰まって癇癪を起こしているのです。(大人でも結構有る話してすが…)
この場合に見逃してはいけないことが『経験不足』というファクター(要素)です。癇癪を起こした子どもに上手に解決する方法を教えてやると、それ以後は全く癇癪を起こさずに上手に出来るようになります。しかしそのタイミングが問題です。完全にキレて泣きわめいている子どもに『教えてやるから、もう1回最初からやって見ろ』と言っても手遅れです。逆に子どもが少し考えれば自分で出来そうなのに一々手出しをすると、子どもの征服感が奪われて意欲がなくなったり、『自分でやるから!』『だって出来ないと泣くでしょ!』と人間関係を損なうトラブルに発展したりします。
こう考えると経験不足は親子の両方に、生徒と教師の両方に存在することが分かります。
少子化の影響は『経験不足』という新しい問題を私たちに押しつけています。少子化に便乗して教職員削減とかキチガイじみた歳出削減策を提出している政府が日本のどこかに有るそうですが、全く論外です。これじゃ教育崩壊→社会崩壊連鎖は止めれれませんね(><)
癇癪と若者がキレる事を同じ土俵で比べることは間違いだと考える人もいるかも知れません。癇癪とキレる若者は行動的には大小の差はあっても、脳のなかで起こっている現象的には大差がないように思えます。少なくともネズミのgo/no-goテストで衝動性を前頭葉に帰結するよりは、癇癪とキレる脳を同じと考える方が近いように思えます。
キレない脳を育てるポイントはまた続きの記事の中で少しずつ書いてゆきます。

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